2013.05.04
ストリートに何かしら通じるライフスタイルを持ち、社会でも活躍する「カッコいい」オトナをリレー形式でご紹介する「RAW SKOOL ROLEMODELS」。
初回の吉野家HD社長河村泰貴氏からのリレーを受け継いでの第二回目は、NY発のスペシャリティストア「BARNEYS NEW YORK」を国内で束ねるバーニーズジャパンの代表取締役社長、上田谷真一氏です。
コンサルティング会社、ディズニーストア、クリスピー・クリーム・ドーナッツ・ジャパン等の社長職を経て、現職に。多彩な職歴をお持ちの上田谷氏は、ご自身も「カッコイイ」モノに対して貪欲にアンテナを張られています。
「バーニーズの伝統は、面白い事をやっている人をフィーチャーする文化。まだ表に出ていなくて、ほとんど知られていないデザイナーのモノを取り入れたり、表に出ていないアーティストを取り上げてみたり。ここしばらくは真面目にビジネスをし過ぎていた気がしますが、僕は、ファッションはエンターテイメントだと思っています。音楽や趣味と同じで、ただ寒さを凌ぐだけの着るモノではなく、音楽を聞くと気分が上がるのと同じ様に、カッコいいモノを身につけると気分が上がります。だからこそ、音楽とか、アートとか、カルチャーには注目しています。楽しくないとダメですよね。」
その言葉の通り、最近では、Jazztronik野崎良太氏や沖野修也氏など、音楽界の錚々たるメンツが参加するミュージックイベントも定期的に行うように。ライフスタイルでも、ご自身のスタイルを貫きます。
「月~金の9時~17時で終わる仕事ではないので、時間を作るのは少し大変ではありますが、今ははっきり、子どもを最優先していますね。けど、今でも運動は好きですね。僕に取ってメンタルヘルスの様なものです。会食やパーティーで帰りは遅くなりますが、朝早く起きれば時間は作れるので、早起きして、出来るだけ身体を動かしています。前は、バンドなんかもやっていました。みんなで集まって、スタジオに篭って音を出して、飲んで帰るのが楽しかったですね。当時も今も、好きなアーティストはYMO。洋楽だと、UKの音楽が好きです。」
コンサルティング、外食、小売りと、多くの業界で活躍されている上田谷氏。若きコンサルタントの時代から大事にしている言葉、スタンスがあるそうです。
「若い時、師匠である大前研一さんと新しいビジネスと立ち上げる時、その業界の方に話を聞きに行くと、大前さんが怒るんですね(笑)。もちろん最低限の知識は必要なんですが、例えばある事業を立ち上げる時に、その事業の何が今の課題で、どのような収益構造になっているかという話を業界の人に聞きに行くと、今あるビジネスをちょっと上手くやろうとする『改善型』の事業にしかならない。そんなの、わざわざやる意味がない、白紙から書け!と、怒られていました(笑)。今でも、その『ゼロベース』という考え方は大切にしていますね。新しいものを生み出すには、必要なことだと思っています。その言葉から子どもの名前も考えたくらい(笑)。そういう意味では、バーニーズの、面白い事や変な事をフィーチャーする社風は、性(しょう)に合っていますね。」
今はインターネットやSNSを通じて、何でも調べられる時代。ビジネスでもダンスでも、そんな時代にこそ、なるべくゼロから発想してみる価値に注目したいものです。カッコいい!と感心しきりの我々、そしてみなさんにも、メッセージを頂きました。
「子供が出来て初めて分かるんですが、日本の学校とか教育のシステムは、すごく閉鎖的。海外のオープンスクールの様に、色々な事を自らチョイス出来て、違うアプローチで子どもに刺激を与える事が必要だと思います。そういう意味では、ストリートカルチャーを通じて刺激を与えるというRAW SKOOLのような活動は非常に価値のある行動だと思いますし、もっともっと、みんなで視野を広げて遊んで欲しいですね。」