2014.08.29
社会で活躍する「カッコいい」オトナをリレー形式でご紹介し、ストリートで夢中になる次世代へのメッセージを発信する連載「RAW SKOOL ROLEMODELS」。
12回目の今回は、前回のLONCAFEオーナー・野口貴史さんからのリレーでご紹介頂きました、書道家・武田双雲さんです。
意外にも、書道家としての活動はストリート出身。様々なメディアに出演する傍ら、現在は文化庁・文化交流使の指名を受けるなど多方面でご活躍されています。書道教室「ふたばの森」も主宰し、約300名の門下生を抱える、指導者としての一面もお持ちです。
前回に引き続き、今回は再度東京を飛び出し、双雲さんの地元でもある江の島界隈でのインタビューになりました。
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◆意外にも、ダンスにゆかりが!
「実は、母親が書道の先生でありながら、ダンサーだったんです。エアロビの方ですけどね。書道も教える一方で、ダンスも教えていました。とてもファンキーで明るい性格の母親で、子どもの頃、家に帰ってくるとレオタード姿で筆を洗っていたり。すごい光景ですよね(笑)。
いちばん強烈だったのが、ある日学校で『今日はダンスの授業をやります!先生がきています!』って紹介されて出て来たのが、レオタードを着たウチの母だったときですね(笑)。さすがにこの時は家出したくなりましたね(笑)。」
◆とにかく「字」マニアの少年期
「とにかく字というものに興味のある子どもだったと思います。僕は3歳から母に書道の型をかなり厳しく叩き込まれていたんですが、苦しいと感じたことはなく、ただただ字を書くことが好きでしたね。母もノリの良い人なので、厳しいけれどノリよく、みたいな感じだったので辛くはなかったんです。
僕にとって、書道は楽しいゲームみたいなモノでした。字マニアですね。先生の黒板の字も、『しんにょう』が気になってそれしか目に入らない、みたいな(笑)。小学1年生の時に、人の字を真似することにハマり、全クラスの『た』を集めたこともありました(笑)。集めてみると、今まで僕が見たことのない『た』が沢山あったんです。なんでこの人の『た』は、ここにこの点が来るんだろう!?みたいな(笑)。無限に個性があって、珍獣発見!みたいな感じで、とても楽しかったです。」
◆書道家への転身、そしてストリートへ
「僕は、書道家になろう!という夢は全くありませんでした。その頃は、身近に書道家らしき人がいなかったので、書道家として飯を食べるということのイメージがわかなかったんです。ただ、字を書くのは相変わらず好きで、楽しく書道は続けていました。
大学を出て会社に勤めていた頃、ふとした先輩の一言がきっかけで、世界中の人の名前が書きたい!と思って会社を辞めました。すごく反対はされましたけどね(笑)。
それからは、とりあえずストリートに出て、藤沢駅前で一晩じっとしていたり(笑)、サックスプレイヤーの演奏で泣かされたり、ストリートで色んな発見や出会い、感動がありましたね。
◆競争第一の風潮において、楽しむことの大切さ
「個人的な意見ではありますが、僕は競争が苦手で、どちらかというと、勉強でもスポーツでも書道でも、人と競うことを避けてきたほうです(笑)。徹底した平和主義者ですね(笑)。皆が『どの山を登ろうか』と競争している隅っこで、僕は自分で山を作っている、そんな感じなんです(笑)。
僕、『ライバル』っていうのはいないんじゃないか、って思っているんです。この世の中では、誰もがオンリーワンになる才能を持っていると思うし、全員がオンリーワンになるだけのスペースもあると思っています。もちろん、今までに成功例のないことをやるわけですから、怖い道のりでもあるんですが、だからこそ、楽しむことが大事なんじゃないかな、と思います。オンリーワンを目指すには、楽しむことが不可欠ですね。
◆書道家らしい、若い世代へのメッセージ
「若いうちに型破りな方法で突っ走ったり、活躍してしまうと、多くの批判が襲ってきたりすることもあるかと思います。けれども、これは『若さの特権」じゃないでしょうか。若いうちは、オンリーワンを目指して、どんどん生意気さを全面に出して行って欲しいな、と思います。
それから、夢やビジョンの大きさと、叶えるまでの時間は比例しないということ。たまに、ミュージシャンを夢見ている若者が『武道館が夢です!!』って言ってくるんですけど、『ちっちゃいなぁ!』って言ってるんです(笑)。皆が想像出来るような夢じゃなく、誰も想像していないような夢を見ようよ、って。みなさんの今の夢をスタートラインにするくらいで、ちょうど良いと思いますね。
最後に書道家っぽい感じになりますが、僕が大好きな孔子の論語の中に「知好楽」という一節があります。『知っている人は、好んでいる人には敵わない。好んでいる人は、楽しんでいる人には敵わない』という意味です。孔子も言っているくらいだから、きっと真理なんじゃないかな、と思いますね(笑)。ストリートで熱中する若いみなさんには、この言葉を送りたいです。
なぜ踊っているのか?という問いかけを、大切にして欲しいと思います。ココロの余白を大事にしながら、とことん毎日を楽しんで欲しいと思います!」
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意外な略歴と、ストリートでのスタート、そして書道家ならではのメッセージ、いかがでしたか。
次回のインタビューは、なんと海を移動します。是非、お楽しみに!
Souun Kanji Artist Home 書道家・武田双雲オフィシャルサイト
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書道家・武田双雲公式ブログ『書の力』
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撮影ご協力:Garage-1
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