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最も手に入れ難いもの:充実感を、手に入れよう。 | 熊本直樹氏(EDP graphic works 代表取締役)|RAW SKOOL ROLEMODELS 008

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 社会で活躍する「カッコいい」オトナをリレー形式でご紹介し、次世代への熱いメッセージを発信する連載「RAW SKOOL ROLEMODELS」。

 はや8回目の今回は、前回の「Restaurant-I」総料理長・松嶋啓介氏からのリレーでご紹介頂きました、EDP graphic works(株)代表取締役 熊本直樹氏です。映像表現の一種であるモーショングラフィックスの世界を10年以上前から牽引し、読者の皆様も良くご存知のドラマやCMのクリエイティブディレクションを務め、カンヌ国際広告祭のデザイン部門では金賞も受賞されている、業界の第一人者です。
 その世界を牽引しているにも関わらず、とても柔らかい物腰で語る姿。今回も、こだわり抜かれ、且つ、大変ユニークなメッセージを頂くことが出来ました。

「岐阜の小さな街の出身だったので、子どもの頃に今の仕事をやろうとか、やりたい思いはありませんでした。それは高校生になっても同じで、ずっとスノーボードばかりしていました。おかげで、現役大学受験は大失敗でした。高校卒業後、上京し浪人を経て、ひょんなことから姉の進めで受けた美術大学に進学しましたが、あまり大学生活は性に合わず、飲食のアルバイトで生計を立てる生活を送っていました。
 大きな転機は、その頃クラブイベントでVJをしていた時に、「面白い映像をつくるヤツらがいる」とNHKの方に声をかけて頂いたのがターニングポイントになりました。」

 その後3人の仲間と始めた会社でしたが、とても険しい、茨の道だったそうです。その中で得たモノ感じたモノを活かし、現在は新人教育に力を入れているそうです。

「会社を立ち上げた根本は、『オシャレなオフィスで自分達の好きなモノづくりだけやりたい!』でした(笑)。しかし10年前ですから、モーショングラフィックスってなに?CGなの?と勘違いされ、理解されない事が多かったです。モーショングラフィックスはグラフィックが動いているモノなので、どこで止めても1つのデザインとして成立するものなんですね。1つ1つの動きを緻密にアートディレクションして、1つの作品を仕上げています。これを理解してもらうのに10年かかりました。
 一つ一つ、妥協しないでやって来た成果です。僕はそれを若いクリエイターの方々にも理解して欲しいので、今、新人教育に力を入れています。独立独歩の精神を持って、どんどん新しい表現にチャレンジする。僕は、そんな若い方々が増えれば業界が活性化されますし、とっても良いことだと考えています。それに、僕自身、新人教育にベクトルが向いていると、良い人でいられますから(笑)。」

EDP works

 そんな熊本氏、デザイン力に関しても独自の考えをお持ちです。それは、「センスは9割が努力」ということ。

「僕の個人的な考えですが、デザインには、その人がその人の人生をどう過ごしてきたかが現れてくると思っています。『土日くらい友達と遊ぼうよ!』とよく若いスタッフに言っています(笑)。プライベートが充実しないと、センスは育たない。
 あくまでも持論ですが、センスの9割は努力しつづけていられることだと思っています。どれだけ多くのデザインに触れて、どれだけ多くの作品を生み出したかがとても大切です。デザイン筋肉をどれだけ鍛えたかですね。残り1割の領域の「才能」を口に出来るのは、何十年とこの業界で努力して来た人だけが許されているように思います。」

 最後に、熊本氏から若い世代にユニークなメッセージを頂きました。

「誰も始めていなかったこの仕事を始めて、心が折れかけた時が何度もありました。けれども、この仕事以外の事をしている自分が、どうにも想像出来ませんでした。
 一番大切なことは、充実感をどう得られるかだと思います。お金やステータスはどうにか手に入りますが、充実感、これは一番手に入れるのが難しいと思っています。一時的には手に入りますが、無形物だけに、フレッシュにキープし続けることがすごく難しいんです。
 世の中は不平等だと思いますが、チャンスだけは平等に訪れていると思います。それに気がつくかどうか。視野を広く持ち、どうか、ご自身だけのチャンスに気づいて下さい。そして、才能は誰もが持っています。10人中9人がダメと言っても、きちんと考えて、何度も考えて、それでもカッコイイと思うんだけどなぁ、僕(私)は間違っていないはず、と思える時は、自分を曲げないで下さい。自分自身には、素直で誠実でいて欲しいと思います。」

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 新しい事に挑戦し、自らの道を切り開いたお話に時間を忘れて聞き入りました。沢山の素晴らしい作品を拝見しましたが、その裏にある、努力や失敗のお話が沢山ありました。どの業界でも、クリエイティブな部分には必ず「自分」が大事なのだ、と痛感しました。

 さて、次回はどんな方が登場するのか?カッコイイオトナのリレーは続きます。是非、お楽しみに。

EDP graphic worksウェブサイト
Reel映像は要チェックです!!
http://www.edp.jp/

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